[Parcel] LET’S MOVE IT by 小畑多丘
solo exhibition
“LET’S MOVE IT” by Taku Obata 小畑多丘
2020.08.08 – 08.30
at: PARCEL
1F, 2-2-1 Nihonbashi Bakurocho, Chuoku, Tokyo 東京都中央区日本橋馬喰町 2-2-1-1F
Open : Wed, Thu, Sun 14:00-19:00 / Fri, Sat 14:00 – 20:00
Closed : Mon, Tue, National holidays 月火祝休
この度 PARCEL では小畑多丘個展「LET’S MOVE IT」を開催いたします。1990 年に発表された Special Ed による曲「Come on Let’s Move It」から引用したこのタイトルは小畑の新作に見られる身体性を反映したものになります。 本展では新作のキャンバス作品を中心に展示いたします。
彫刻家である小畑は日頃より彫刻のためのスケッチを多量に残しています。それが進化、派生をしたアプローチでドローイングやプリン ト、キャンバス作品として今年の 6 月から 7 月にかけて AKIO NAGASWAGA ギャラリーで展覧会を行いました。
2020 年 3 月より PARCEL で滞在制作をしながら制作されたこれら一連のドローイングやキャンバス作品に見られる反復した線の描き方は、 ブレイクダンサーでもある小畑のルーツに呼応しながら画面上をコリオグラフの指南書のようにリズムを刻み、絵の具の乾き、量、スピー ド感など自身に制作における制限を自らに課した上で挑んだ成果でもあります。
キャンバスという課題に対し小畑は当初ドローイングから拡張された作品群を完成、先の展覧会で発表してきました。そこからさらに実 験を繰り返す中で彼は彫刻家としての再アプローチを試み、本展で発表するする新シリーズにつながります。それらは先述のリズミカル な要素と軽快感は保ちつつも、彫刻家としての彫る(削る)という行為を大小様々なスキージーやスクレーパーを駆使しながら平面に落 とし込んだものになりました。厚塗りされた絵の具をカービングの要領で削り取り、マチエールを掻き分けながら露わになった下地で図 像を描いて制作されたこれら一連の作品は平面作品に対して、彫刻家として小畑の一つの到達点と言えます。
さらには削り取った絵具をモデリングの要領で同サイズの別キャンバスに擦り付けながら転用し、削る行為から産み出された作品をネガ ティブとするのならば質量の移設とダイナミックな身体の移動によって、意図的な副産物としてのポジティブである対の作品を一連の動 作で描いた作品も展示いたします。”LET’S MOVE IT” というタイトルからもわかるように、小畑にとって彫刻はもとより、絵画に対しても 同じ身体表現として捉え直しており、描いているのです。
彫刻家小畑が挑んだキャンバス作品、ぜひご高覧くださいませ。