2022/5/21 ~ 6/19
even a worm will turn
横手 太紀 | Taiki Yokote Solo Exhibition
at: parcel
東京都中央区日本橋馬喰町 2-2-14 まるかビル2階
Maruka bldg 2F, 2-2-14 Nihonbashi-Bakurocho, Chuo-ku, Tokyo
Open :
Wed-Sun 14:00-19:00
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Closed : Mon, Tue, Holidays
parcelでは、5月21日より横手太紀の初個展 “even a worm will turn”を開催いたします。
横手太紀は東京藝術大学院彫刻科に在籍しながら、ビニール袋、瓦礫、道に転がる石、ブルーシートなど普段気に留められることの少ない身近な物に着目し、既製品の動きを使った彫刻やインスタレーションなどを制作しています。横手の表現には、見慣れた物体に元々あった役割や記号的な意味合いを見るのではなく、それらの純粋な姿や動きに着目し、それぞれを固有の存在として捉えることが軸にあります。塵や埃のような小さな存在や元は建物の一部であった瓦礫などの無機物に思いもよらぬ動きや視点を与えることで、違和感や居心地の悪さと共に、あらゆる物に個々の時間が流れていることや認識しきれない様々な現象への想像を広げさせてくれるのです。
作家自身初の個展となる本展では、新作の映像作品、大小様々な彫刻作品、インスタレーション作品を発表いたします。是非ご高覧くださいませ。
駅に向かういつもの道で瓦礫の山を見つけた。何の建物だったかとしばらく考えたが思い出せない。明日にはこうして忘れてたことさえもう覚えていないのかもしれない。日々きりがないくらい何かを忘れながら、そしてそれ以前に記憶にすら留まらない色々に気づかないまま生きていると考えると、忘れられていくもの、見落とされているものにも人と同じ時間が流れ、それぞれの物語が紡がれている。
家の埃は服や布団の繊維、外から来た砂などで出来ていると聞いた事があるが、うちの埃にもさっきの瓦礫の塵が混じっているかもしれないと思うと、長い旅の末そこにあるように感じて掃除できなかったりする。それは自分の彫刻が身勝手に動き予測不能な方向へ行ったり、摩擦や劣化により変化しても、元のように修復せずそのままにしておきたいと思う感覚に近い。
毎日見きれない程の情報が目に入ってきて、自分たちの生活に関係がないことはほとんどが素通りされてしまう。彫刻はそんな存在たちの日々を見つめ、想像する助けになるように思う。
– 横手 太紀
横手 太紀 | Taiki YOKOTE
1998年神奈川県逗子市出身。東京藝術大学美術研究科彫刻専攻在籍。
身の回りに存在する気に留められることの少ない物に着目し、既製品の動きを利用したギミックや彫刻的アプローチを行うことによって、それらの「野性的な側面」を浮き上がらせる。動きを持たせた彫刻やインスタレーションを中心としながら、近年は映像を用いるなど表現の幅を広げている。