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[PARCEL] PLAY / LIVE ANOTHER DAY | Tohru Matsushita / yang02 / Taiki Niimi


  • PARCEL Nihonbashibakurocho 2-2-1 Chuo City, Tōkyō-to, 103-0002 Japan (map)

2023/9/30 ~ 2023/10/29

PLAY / LIVE ANOTHER DAY
Tohru Matsushita / yang02 / Taiki Niimi

at: PARCEL
東京都中央区日本橋馬喰町2丁目2-1 DDD hotel内 1F
DDD hotel 1F, 2-2-1 Nihonbashi-Bakurocho, Chuo-ku, Tokyo

Open :
Wed-Sun 14:00-19:00
--
Closed : Mon, Tue


この度PARCELでは松下徹、やんツー、新美太基の3名によるグループ展「PLAY/LIVE ANOTHER DAY」を開催いたします。松下は塗料の化学変化や特性を用いたシリーズや、高電圧の軌跡を利用した作品など、オートマチックにつくり出す図柄を観測・操作・編集するプロセスにより絵画作品を制作しております。やんツーは「描く」や「鑑賞する」など行為の主体をロボット/機械などの外的要因に委ねることで表現の主体性を問う作品を数多く制作してきました。新美は楽曲制作と共に、音楽プレーヤーや楽器などを自主制作した音響インスタレーション作品を制作。様々なアーティストやミュージシャンの音響や展示制作をサポートすることを活動とし、近年では∈Y∋(BOREDOMS)の新プロジェクトFINALBY( )のメンバーとして、フジロックフェスティバル‘21に参加しております。

少し前のオーディオプレーヤーを見ると、▶︎のボタンに「PLAY/再生」と刻印されています。かつてジョンケージはレコードについて「景色を台無しにしてしまう絵葉書」、または音楽体験を殺してしまうものとしていくつかの議論で触れています。しかし日本語の翻訳でPLAYを再生=再び生きると書かれており、つまり記録媒体のデータは蘇り、毎回新しい命を与えることができるのです。これは日本語翻訳の歪みについての指摘ですが、実際に▶︎が持つ機能と意味は、時代ごとに変化しています。

例えば、音楽のサブスクリプションサービスは楽曲の▶︎に関して新たな状況が生み出されており、アーティストのアルバムより、DJの編集された視点が楽曲との出会いを決め、音楽を再生することはプレイリストを再生することに等しくなりつつあります。またYOUTUBEのアイコンは▶︎ですが、ショート動画の躍進によって、▶︎ボタン自体の存在が消えつつあるのです。そしてNETFLIXのヒットドラマ「Black Mirror」では、鑑賞者にストーリーの分岐点を選択させ、物語が変化します。もはや▶︎は約束された一定の体験をもたらすのではなく、新しい時間と空間を誕生させる為の記号と考えられるのでは無いでしょうか。

今回展示する3人のアーティストは、音楽の作曲やコンピューターによるプログラミング、スプレーを用いた塗装などテクニカル/インダストリアルな方法で作品を制作しています。3名は共通して「動きを繰り返すシステムやルール」を作品制作のプロセスに利用していますが、同時に「結果がずれていく仕組み」が設定されており、非再現性を制作の中で重要視しています。延々にコピーアンドペーストできるデータに囲まれて日々生活している私たちにとって、多くの事象に再現性があり、一過性の出来事に出会うことの方が難しいと感じます。かつてボードリヤールは、オリジナルなきコピーで消費世界が形成されてことをシュミラクルと呼びましたが、データはプレーヤー(再生機)の進化/変化や、聞き手の時代的な感性によって変化するのです。今回の展示では、このような「システムと偶然性」をテーマとし、ノイズや即興性など、予測すること/予測できないことを作品の中で実験するアーティスト達の展覧会になります。


Tohru Matsushita | 松下 徹

アーティスト/SIDE CORE ディレクター
1984 年神奈川県生まれ
東京藝術大学先端芸術専攻修了

化学実験や工業生産の技術によって絵画作品を制作。高電圧の電流によるドローイング、塗料の科学変化を用いたペインティングなど、システムが生み出す図柄を観測・操作・編集するプロセスにより絵画作品を制作。またストリートカルチャーに関する企画を行うアートチーム SIDE CORE のディレクターの 1 人でもあり、国内外のストリートカルチャーに関するリサーチ/執筆をおこなっている。

yang02 | やんツー

1984 年、神奈川県生まれ。美術家。
多摩美術大学大学院 美術研究科 デザイン専攻 情報デザイン研究領域 修了
多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科情報芸術コース 卒業

セグウェイが作品鑑賞する空間や、機械学習システムを用いたドローイングマシンなど、今日的なテクノロジーを導入した既成の動的製品、あるいは既存の情報システムに介入し、転用/誤用する形で組み合わせ構築したインスタレーション作品を制作する。先端テクノロジーが持ちうる公共性を考察し、それらがどのような政治性を持ち、社会にどう作用するのか、又は人間そのものとどのような関係にあるか、作品をもって批評する。

Taiki Niimi | 新美 太基

楽曲制作と共に、音楽プレーヤーや楽器などを自主制作した音響インスタレーション作品を制作。またプログラミングや装置の製作などを通し、様々なアーティストやミュージシャンの音響や展示制作をサポートすることを活動とし、近年では∈Y∋ (BOREDOMS)の新プロジェクト FINALBY( )のメンバーとして、フジロックフェスティバルʻ21 に参加。また SIDE CORE のプロジェクトにおいてReborn-Art Festival(2022)に参加している。

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