2023/10/21 ~ 2023/11/12
Echo Windows
DIEGO / Keita Miyairi / Akane Nakajima / LAKA / Tyler G. Ormsby
at: parcel
東京都中央区日本橋馬喰町 2-2-14 まるかビル2階
Maruka bldg 2F, 2-2-14 Nihonbashi-Bakurocho, Chuo-ku, Tokyo
Open :
Wed-Sun 14:00-19:00
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Closed : Mon, Tue
この度parcelでは昨年弊廊で個展を開催したDIEGOによるキュレーション展「Echo Windows」を開催いたします。本展では、平面表現を主軸に置きながらも、画家やコンテンポラリーアーティストという言葉には括れない活動をする、作品スタイル、拠点、年齢などの異なるバックグラウンドを持つ5人の作家が集います。
DIEGOは街中で何気なく目にするモノをユーモラスに擬人化したキャラクターなどを抽象的に描いています。スタイルや手法のみならずグラフィティの価値観は作品の核となっており、ビルの間や空き地など多くの人に見過ごされるような「都市の隙間」、そこにある道具や打ち捨てられたようにただ存在している物などはインスピレーション源のひとつです。
染色家の宮入圭太は、布や和紙に型紙と糊を用いて染色する型染めの手法で制作をしています。民藝思想はもとより、90年代に熱中したグラフィティや、現代美術など様々なカルチャーや美学に基づいた作風、ユニークで遊び心のあるモチーフや独学で身につけた手法を取り入れた宮入の表現は、近年国内外で注目を集めています。
中島あかねは主に水彩、アクリル、クレヨンなどを用いた表現をする作家です。線を引く、色を置くというシンプルな行為を重ねることで、身近にありながらも日常生活においては見落とされるような抽象的感覚や無意識的領域を探るようにして制作・発表を続けています。
金沢を拠点とするLAKAは、グラフィックやインテリアのデザイン、また、金沢のインディペンデント アートスペースNNの運営に携わりながら、作家として活動しています。近年続ける「FLAT PLATE」シリーズでの表現において、文字という抽象的・記号的なフォルムをさらに解体し、断片化する、連続させる、削る、塗り重ねるというプロセスをパネルの画面上に重ねることで、かたちを探る行為そのものが絵画表現として現れています。
1994年生まれのTyler G Ormsbyは、サンフランシスコのベイエリアに在住する作家です。主に油画、ドローイングを中心に陶芸などジャンルやスタイルに囚われず制作を続けています。想像の余地を残した象徴的なワンシーンのような風景、無骨とも言えるような力強く絵具が重なり合う抽象絵画などを制作し、精力的に発表・活動の場を広げています。
この5人の作家の作品の形式やスタイルは全く異なるものですが、制作プロセスにおいて手作業や道具によるブレやエラーを作品に取り込む直感的・身体的感覚や、計画とは対にある素朴さや無作為性などが彼らの作品に共通した重要な要素となっています。佇まいの美しさを見つめ精神性を追求する5人の作家の持つ美学や響き合いを感じていただけましたら幸いです。
DIEGO
1986年生まれ、東京を拠点に活動。街で普段何気なく目にするモノをユーモラスに擬人化したキャラクターを抽象絵画として描く。 DIEGOのもたらす「脱臼したストリート表現」は、 絵画や壁画というビジュアルアートから、街中のグラフィティ、コンセプチュアルアートまで活動の幅を広げている。近年はコレクティブ SIDE COREの一員として展覧会の企画や作品発表を精力的に行う他、自身が主催する壁画プログラムにおいても世界各国のアーティストたちの壁画制作のディレクションを行う。
宮入圭太 | Keita MIYAIRI
1974年東京都 生まれ、染色家。東京を拠点に活動する。
ソフビフィギュア原型師を経て、民藝、さらには型染めの世界に出会い、魅了される。型紙と糊を使い布や和紙などに模様を染め出す伝統的な手法を用いながらも、ユニークなモチーフを扱い、本来は嫌悪されるような滲みや歪みを取り入れた独自の表現を行う。10代〜20代に親しんだグラフィティー、民藝をはじめ、多様なカルチャーや、自身のうちに蓄積された美学を軸にした宮入の表現は国内外より評価され、近年より活動の幅を広げている。
中島あかね | Akane NAKAJIMA
1992年 東京都生まれ・拠点。クライアントワーク・プライベートワークの両面からドローイング、絵画、イラストなど平面での表現を中心に制作を続けている。水彩、クレヨン、アクリルなどを用いた中島の絵画表現は、シンプルな色、形、線となって画面の上に繊細に重ねられ、抽象風景として現れる。これまでの主な個展に、2015年「レジャー」(ガーディアン・ガーデン/銀座) , 2017 年「庭を泳ぐ」VACANT(原宿)、2021年「uneven」(nidi gallery/恵比寿)、2021年「phrase」(Gallery Trax/山梨)など。
LAKA
金沢を拠点に、グラフィックやインテリアのデザインなどを行う傍ら、金沢のインディペンデント アートスペースNNの運営に携わりながら、作家として制作活動を続けている。近年は文字を要素に連続させる・塗り重ねる・削ぎ落とす・断片化するというプロセスからうまれたパーツを構成し、器をモチーフに描くシリーズ「FLAT PLATE」を制作している。
Tyler Garces Ormsby | タイラー・オームスビー
1994年 カリフォルニア出身。現在はサンフランシスコの海沿いに在住。絵画作品を中心に、陶器やドローイングなどマテリアルを問わずに作品制作を続けている。広大な土地や海で育まれた自然界の継続的なリズムが根底に流れながら、自身の経験や、抽象的な記憶がしばしば象徴的なワンシーンのように表象として絵画に現れる。サンフランシスコのRATIO 3でのグループ展(San Franciscco, USA, 2021)、House of Seiko(San Franciscco, USA, April 2023)にて初となる大型個展を開催。日本では、原宿 Scooter for Peace(Tokyo, 2023)にて中村譲二との2人展を開催。